習うは一生。日々成長を続ける、長谷洋武の『進化』論 - 長谷洋武さん(弘前大学)
- Humans of Hirosaki
- 2019年7月7日
- 読了時間: 8分

弘前で活躍する若者たちの「生き方」を紹介する『Humans of Hirosaki』。第3回目のゲストは、弘前大学人文社会科学部文化創生課程多文化共生コース4年の長谷洋武(ながやひろむ)さんです。
北海道函館市出身。専攻は現代オセアニア論。課外では学生地域団体やキャリア支援団体に所属するなど、4年生になった今でも幅広く活動しています。
「習うは一生。」を座右の銘に掲げ、大がつくほどの読書家。そんな長谷さんですが、本を読み始めるようになったのは大学1年生になってからだそうです。
本との出会い。そして彼にとって『読書』とは。そして、『人生を通しての目標』とは…。日々自分をアップデートしつづける、長谷洋武の『進化』論。ぜひご覧ください。
Ⅰ.一浪を経て函館から弘前へ ―人生イチの『挫折』の経験―
― なぜ弘前大学へ?
「元々、お金のこともあって国立大学に進学することに決めていました。地元から近くて、自分の学力に見合った大学はどこか。と考えた時にこの弘前大学に進学しようと思いました。人文社会科学部文化創生課程を選んだのは、英語の教員免許を取ろうと思ってたからですね。」
― なぜ英語を?
「高校の時、英語の先生によくお世話になったので(笑)。自分は高校で野球部に入っていて、野球部の顧問も英語の先生だったんです。その先生に憧れて、自分は将来英語の教師になって野球部の顧問になって、高校生に野球を教えているんだろうな。と漠然と将来の自分を描いていました。
でも高校の時の自分は全く勉強ができなくて…。大学受験に失敗してしまいました。
みんなと一年遅れる。みんな合格している中、僕は不合格…。思わず泣いてしまったことを、覚えています。この大学受験失敗が、ぼくの今までの人生で一番の挫折でした。
そして一年後、僕は弘前大学に進学することができました。今思うと、これも縁だったのかもしれません。一年遅れていなかったら僕は今の自分とはまったく違う人生を送っていたかもしれないし、この『Humans』も取材されていなかっただろうし、今いる仲間たちとも出会えなかったとおもいます。二度と経験したくないですが、トータルで見ればよかったのかな、と(笑)。」
― 人生イチの挫折。この経験は長谷さんにとって“絶対的な強み”になっていると思います!

〔写真:ゼミナールの卒論発表会での一枚。英語や海外への興味は大学でも続いています。〕
Ⅱ.僕と本との出会い―「習うは一生。」―
― 長谷さんは大の読書家だそうですね!
「大がつくほどかはわかりませんが、本は好きです(笑)。といっても、読書にハマりだしたのは、大学に入ってからなのですが。」
― 長谷さんの『読書』との出会い、気になります!
「本を読み始めたのは、大学1年生の夏からでした。『今の学生は本を読まない。もっと本を読みなさい。』と、ある授業で先生が言った一言が妙に頭から離れなくて(笑)。だから、大学一年の夏休みは本をたくさん読もうと決めました。
『折角だから、自分にタメになるものを読もう。』と思い、『鋼のメンタル』(著:百田直樹)を手に取りました。昔に読んだ本なので、内容は断片的にしか覚えていませんが、自分とは全く異なる価値観が広がっていてとても衝撃的だったことを覚えています。
読書って、『知識』を得ること・『価値観』を広げることだと思うんです。そして、それは人生をかけて得るべきモノで、自分の中に無いモノは無限に存在している。自分に無いモノを取り入れて、自分の世界を広げる。これが、人間の『成長』だと思います。ぼくはもっと成長していきたい。『習うは一生。』ですから。(笑)」
― この記事を読んでいる方に、おすすめしたい本などはありますか?
「うーん。そうですね。『嫌われる勇気』(著:岸見一郎/古賀史健)は面白かったですよ。『アドラー心理学』について書かれていて、本文も会話仕立てで、分かりやすく書いてあるのでオススメです。自分らしく振舞っていいんだっていう気づきとか、自分と他人はやっぱ違うんだという学びもありました。」
― 早速僕も読んでみようかな…。(笑)
Ⅲ.「人の可能性を広げたい。」
― 長谷さんの将来の目標について教えてください。
「一言でいうなら、『人の可能性を広げたい』です。僕は読書を通して、『知らないことを知る』ことに面白さを感じるようになりました。そして、その気づきは行動力やモチベーションにつながるし、自分の中にある可能性も広がります。
僕は、この可能性の広がりを『自分だけのもの』にせず、僕自身が『誰かに与える』こともできるんじゃないかと思ったんです。僕は、人のために役立ちたい。誰かの役に立てる、誰かの力になることで、自分の存在を肯定できるからです。
シゴトに関連付けるなら、『ITとマーケティングの視点から、人の可能性を広げたい』です。僕は大学三年の夏、長野県塩尻市へ地方創生インターンに参加しました。「商店街にあるカフェの売上を100万アップするプロジェクトを提案せよ」というテーマのもと、40日間塩尻に滞在し、企画を提案するというものでした。このプロジェクトの参加者は僕一人だったし、しかも、『もし売り上げが伸びなかったら、店を閉めるかもしれない。』と社長に言われ…(笑)。プレッシャーがハンパじゃなかったです。
たった一人のマーケティング。塩尻がどんな街なのかわからなかったので、どんなものが有名なのか、どんな施設があってどこに何があるのか…。カフェの立地は?ここの道路は人通りが多そうだ。カフェのコンセプトは…?などの現状分析から、アイデアを考え、企画を煮詰めました。
最終発表では「カジノをコンセプトにし、男性客を意識した夜のカジュアルカフェ&バー」を提案しました。「面白いね」「やってほしいよね」と社長や大人の方々に言ってもらえて、ほっと胸を撫でおろしました。お店は現在も営業しているみたいなので、時間があればまた訪問してみたいですね(笑)
そのインターン期間中に社長と色々進めていく中で、SNSの使い方がわからないという相談を受け、僕なりにやり方を教えました。その時に、「自分にもっとITの技術やノウハウがあれば、もっと情報も発信できるし、売り上げや知名度も上がるのでは?」「地方にはITを生かしきれていない企業がまだあるんじゃないか?」と思ったんです。
それに、プロジェクトテーマの「売上100万アップをめざす」という内容からみて、「マーケティングがうまくいっていないんじゃないか?」「マーケティングに課題を抱えている企業がまだあるはずだ!」と感じました。
ITとマーケティング。この二つの力が僕にあれば、地方の企業に可能性を与えることができるかも知れない。『ITとマーケティングの視点から、人の可能性を広げたい』。これが僕のこれからの目標です。」

〔写真:インターシップでの一枚。〕
― 卒業後の進路はもう決まっていますか?
「はい。東京のほうで、民間に就職します。詳しい内容は言えませんが、自分が一番納得できるような企業で働かせて頂くことになりました。
内定を頂いたとき、嬉しさがこみ上げました。4年前経験した「大学受験失敗」が人生イチの挫折だとするなら、本気で取り組んた就活で内定を頂いたことは人生イチうれしかった瞬間だったかもしれません。
残りの大学生活は、後輩のために多くの時間を費やしたいと思っています。4年生になって大学生活を振り返り、『後輩に何か残せたか』と考える機会が多くなったので。なので、最近では地域団体のサークルに時間があれば積極的に足を運んだり、キャリア支援団体エンカレッジの青森支部に入って、後輩のキャリア支援を行っています。後輩の可能性を広げること。それが残りの大学生活で僕ができることなのかな、と思います。もちろん卒業論文もちゃんとやりたいです。」

〔写真:以前までは学生団体ひとつなぎに所属し活動していました。写真は「another view-2時間の海外旅行-」での一枚。〕

〔写真:現在でも入部しているサークル「学生地域団体Smoothie」での一枚。〕

〔写真:先輩に誘われて不定期で行っている有志活動「着ぐるみゴミ拾い」。着ぐるみを着ているのに、やっぱり爽やかです。〕
Ⅳ.僕は『傲慢』を嫌う
― 長谷さんを構成する言葉を事前にお伺いしていました。『謙虚・冷静・誠実』。このことについてお聞きしたいと思います。
「この3つは、僕が常に意識していることです。『冷静』に関していえば、他人に不安を与えないために意識しています。それに感情的になると、物事を適切にとらえることができなくなると思うので。『誠実』に関しては、中途半端が嫌いなので、物事をやり抜くという意味で、意識しています。
一番意識しているのは『謙虚』ですかね。これは、自分が『傲慢』になることを避けるためです。
僕、『傲慢』な人って好きじゃないんですよね。『傲慢』って、自分に限界を決めていて、それ以上に上を目指さない、あるいは向上心が欠如していることだと思うんです。それは、成長を生まないんじゃないのかな、って。
人間が成長するためには、謙虚な姿勢が必要だと思います。人の意見に耳を傾け、自分の能力を過信せず、常に向上心を持ち続ける…。
だから、僕はいつでも『謙虚』でありたいです。自分が成長し続けるように。」
― 『傲慢』は成長を生まない。とても心に刺さる一言です・・・。
Ⅴ.長谷洋武の『進化』論

― 長谷さんの生き方のキーワード『進化』について教えてください。
「『成長』でもよかったんですが、カッコがつかなかったので同じ意味合いの『進化』にしました(笑)。やっぱり常に上を目指していきたいですし、毎分毎秒進化していく気持ちで、自分をアップデートしていきたいです!
そのためにも、やっぱり読書と行動。そして謙虚な姿勢は意識し続けたいです。自分にできることは死ぬほどあるし、まだまだ知らないこともたくさんあります。学生が終わっても社会人としてまだまだ力を伸ばしていきたいです。
自分の足を止めないように、いつも“誰か”を思って、『進化』し続けます!」
― 長谷さんの『進化』論。これからの人生の参考にさせていただきます。今回は貴重なお話ありがとうございました!
「いえいえ!こちらこそ、ありがとうございました!!」
Humans of Hirosaki No.003
長谷 洋武(ナガヤ ヒロム)さん
北海道函館市出身。
弘前大学人文社会科学部文化創生課程多文化共生コース在学。
4年生。現代オセアニア論研究室に所属。
学生団体ひとつなぎOB。
現在は学生地域団体Smoothie、キャリア支援団体エンカレッジ青森支部、ヒューマンライブラリー実行委員、留学生のチューターなど幅広く活動をしている。
人生の目標に「人の可能性を広げる」を掲げ、大学四年生となった今では、主に後輩のキャリア支援に努めている。
生き方のキーワードは『進化』。
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