「発達障害とは何か。」― 発達障害と私 ② -
- Humans of Hirosaki
- 2019年8月8日
- 読了時間: 4分

~まえおき~
(一部地方自治団体では独自の方針で障害者を、『障がい者』と表記しています。「害」の字にマイナスなイメージをもつとして表記を切り替えてるそうです。賛否両論ありますが私
は表記だけでなく、各個人が考える思いが大切だと思い、ここではあえて障害者と表記する
ことをお許しください。)
P.N.りこぴん
「これは、私の使命―――。」
発達障害の方と巡り合う機会が多い中で、私は、自分の使命が「発達障害について学び、その成果を社会へ還元することである」と気づきました。
その目標を叶えるために、齢十四の私にできることは、やはり発達障害に関する知識を得ることに他なりませんでした。
当時中学生だった私は、パソコンや本、そして親との対話の中から、「発達障害」について、調べ始めました。

発達障害とは、発達障害者支援法によると
「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」
と定義されています。

簡潔に述べると、法律における発達障害とは
「低年齢期に発現する脳機能の障害」
のことを指します。
そして、発達障害は大きく3つのタイプに分かれます。
①広汎性発達障害
②学習障害
③注意欠陥多動性障害 です。
① 広汎性発達障害
自閉症・アスペルガー症候群がこれに該当します。
前者の自閉症は、言葉の発達の遅れ・コミュニケーションがうまく取れない・こだわりが強い・五感が過敏に反応するなどの症状が見られます。私は、「他者との交流をしない、または他者との相互関係を進んで作ることができない障害」としています。
「自閉症」という言葉は外国の言葉をそのまま和訳したものであり、漢字で受ける印象とは大きく異なる症状・傾向があります。
後者のアスペルガー症候群は、前者の自閉症にほぼよく似た症状を持ちます。特徴は大きく二つで、対人関係の障害、パターン化した行動による強いこだわりなどです。
自閉症とは異なる点は、言語発達・知的発達の遅れは見られないことです。なので、大人になってから、「自分はアスペルガー症候群だった!」と気づくことが多くあるそうです。
あくまで個人的な統計ですが、発達障害の中で最も多くみられる症状の一つであると思います。

② 学習障害(LD : Learning Disability)

学習障害の傾向がみられる方は、「読む」「書く」「計算する」等の能力が全体的な知的発達に比べて苦手です。
学習障害にも3つのタイプがあります。
一文を区切って読んだり、あるいは訓読み・音読みが混同してしまったりする識字障害。「あ・め・ぬ」や「わ・れ」、「は・ほ」などの似通った平仮名・カタカナを頻繁に書き間違える書字障害。1・2・3…と数詞を連続して正しく数えることができない、或いは四捨五入が理解できないなどの算数障害。この3つです。
③ 注意欠陥多動性障害(ADHD:Attention-Deficit Hyperactivity Disorder)
ADHDの症状は特徴的で、不注意・多動性・衝動性が見られます。じっとしていることが苦手だったり、忘れ物が多かったり。整理整頓ができない・物事の順序を整理できず、目先のものに飛び込んで行ってしまうのもADHDの症状例です。
ADHDには多動・衝動が目立つ活発的な子もいれば、不注意でぼんやりとしている子もいるので、同じ障害を持っていたとしても全く異なった様相が見られます。

このように、発達障害といっても、様々な傾向によって分類されています。
自閉症や学習障害は、症状が特徴的なので周囲との違いが明らかにハッキリと出てくるので、比較的早い段階で障害を見つけやすい一方で、アスペルガー症候群やADHD については、早期発見が難しいのです。発現は低年齢期であるものの、それが障害であることを自他覚することが遅れるため、大人になってからの社会活動に何らかの影響をきたしてしまう場合が多くあります。
そして、発達障害において、最も重要なことは、
レントゲンや採血、検尿でわかるものではないということ。
陽性か陰性かを確実に判断できるものがないという点です。

発達障害の診断方法は、既定の診査基準における症状項目のうち、いくつかの項目に自分があてはまるかどうかで判断を行います。ですが、その診査結果も、発達障害の「傾向がある」か「傾向がないか」でしか示せず、非常に曖昧なものとなっています。
先ほどの発達障害の症状例のなかに、自分も当てはまるんじゃないかと、思った方はいませんか?
コミュニケーションが苦手という人は多くいます。
忘れ物をしてしまったり、ついついおしゃべりがすぎて怒られてしまったり。
どれも実際には誰にでもある経験だと思います。
では、私たちみんな発達障害になってしまうのでしょうか―――。
私はADHD かもしれない…。と不安になる人もいるでしょう。
そうです、この曖昧さが、私が「発達障害」にこだわる理由の 1 つなのです。
その理由については、後ほど。
それでは、また。

「発達障害とは何か。」 ―発達障害と私②-
P.N.りこぴん
Memorandum
(from Humans of Hirosaki)
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